皆さま こんばんは。

久しぶりの投稿になってしまいました。

コロナウィルスにより皆さまも不自由な生活をなさっていらっしゃる事と思います。

イベントやコンサートは、中止や延期になっております。

残念ですがやはり健康が一番です。

どうぞ皆さまお気をつけ下さいませ。

2月26日は、私の最も尊敬しておりましたピアニスト田中希代子先生の命日です。

その日は、毎年ご指導頂きました曲を弾いて偲んでおります。

今年は、ショパンのエチュード Op.25-9 「蝶々」にしようかと思います。

希代子先生にご指導頂いた初めの頃、何曲か宿題を頂きました中の一曲です。

蝶々が飛んでいるように軽やかに速く演奏しますが、当時なかなかテンポが上げられなくコツを教えて頂きました。

田中 希代子先生との思い出は、2年ほど前にもブログに書きましたが…

希代子先生は、ジュネーブ国際コンクール・ロン=ライボー国際コンクール・ショパン国際ピアノコンクール

の日本人初の入賞者でいらっしゃいます。

ご指導頂きました3年間は、たくさんの思い出があります。

お亡くなりになる数日前までレッスンに通わせて頂いておりました。

レッスンは全て希代子先生のご自宅でした。

レッスン時間の10分くらい前に着き、大きな木で作られた門の前で時間を調整しまして、弟様の田中 千香士先生(元NHK交響楽団のコンサートマスター大変な活躍をなさった方です。)

のご自宅の前を通り、同じ敷地の中の隣の希代子先生の自宅の呼鈴をレッスン時間の1分前に鳴らしておりました。

きっと希代子先生の生徒は皆さまそのようになさっていたと思います。

先生は、時間通りに玄関で車椅子で迎えて下さいます。

夏の暑い日などは、希代子先生は「暑くて大変でしたね。

キッチンに行って冷蔵庫の中のジュースを飲んでいらっしゃい。

グラスは、そのままにしておいて…後でお手伝いさんがいらっしゃいますから。

と、お気遣い頂きました事なども昨日の事のように覚えております。

ピアノにつきましては、

「フィーリングがいいわね。…たまに変な音を出すけど。」と、微笑みながらお褒め頂きました事がありました。

とても嬉しく、今でも励みになっております。

たまに、先生のレッスンを受けている夢を見ます。

その後は何となく上手く弾ける気がします。

希代子先生からの形見分けのスクリャービン のソナタ全集は、2番の「幻想ソナタ」に書き込みが多くしてあります。

ショパンを感じさせる作品で、左手のテクニックが必要な曲です。

希代子先生がお好きな曲なのだとよくわかります。

私がピアノの仕事を続けられるのは、希代子先生のご指導を頂いたお陰と思っています。

一番の財産はやはり人とのご縁かと思います。

これからもご縁は大切にしたいと思います。

いつもブログを読んで頂いている方に感謝しております。

ご縁は不思議なものだといつも思います。